かくして、サブプライムローン問題の深刻化は、一般の投資家の破産を促した。
銀行に認められなくなり、銀行からの借入ができなくなって、住宅ローン会社がまず倒産したのである。
アメリカにおける民間住宅ローン会社の最大手にC・フィナンシャルという会社があった。
手持ち現金約ニ億ドルに対して、一年以内に返済しなければならない負債が約六○○億ドルもあった。
Bンク・オブ・Aメリカが二○億ドルの緊急融資を同社に与えたが、焼け石に水であった。
ローン債権を担保に銀行から一年未満の資金を借り入れて、それを住宅ローンとして貸し付ける。
その債権を担保にさらに、銀行から借り入れて、また住宅ローン貸付に回すという自転車操業をアメリカの住宅ローン会社は継続してきた。
この短期資金による自転車操業に加えて、レバレッジに依存し過ぎたことも住宅ローン会社が行き詰まった原因である。
だが、住宅ローン返済の焦付きと、そのことによる不良債権の発生によって、住宅ローン会社が行き詰まったのは確かであるが、そうした不良債権自体は大きくはない。
債権全体に占める不良債権は、C・フィナンシャルの場合、一%程度に過ぎない。
日本のバブル崩壊後、日本の銀行の不良債権比率が八%もあったことを考えると、アメリカの住宅ローン会社の不良債権比率は微々たるものである。
繰り返すが、わずか一%程度の不良債権によって、経営が行き詰まったのは、レバレッジに依存してきたからである。
少ない自己資金で大量の借入、大量のローン回転という営業戦略を採用してきたことが、短期資金が回転しなくなったときに、破綻を引き起こしたのである。
ヘッジファンドがサブプライムローン関連で破綻したのも同じである。
ヘッジファンドも自己資金の一○倍から二○倍もの資金を借り入れていた(『N本経済新聞』二○○七年八月二四日付)。
短期資金が回らなくなったことで、アメリカではM&Aも頓挫してしまっている。
例えば、大手のKールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)というM&A業務を主体とするファンドがある。
このKKR傘下の不動産取引会社が、自己の保有する住宅担保証券の値下がりで二○○七年八月一六日、二億四○○○万ドルの損失を発生させた。
KKR創設者のJ・Rは、同社が資金調達面で困難な状態になっていることを説明した。
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